玉堂富貴図

画面右下の太湖石の側に大輪の牡丹を配し、その上に白木蓮と画面左上へ枝を伸ばす薄紅色の海棠を描く。複数のモチーフを巧妙に重なり合わせ、左下から右上への視線誘導により、すっきりとした画面を作り上げている。題名にある富貴は牡丹の異名で、玉堂は海棠・木蓮を示す。富裕を表す吉祥画である。作者の中川雲屏は、現在の長浜市曽根町出身の絵師。長浜町で活躍した狩野派の絵師・山縣岐鳳に絵を学んだのち、文政7年(1824)に京都に出て四条派の岡本豊彦の弟子となった。仏光寺門跡に仕え、禁裏との関係も深めた。文久元年(1861)和宮の降嫁に際しては、本作と同画題である「玉堂富貴図」を献上している。

項目 内容
資料名称 玉堂富貴図
分野カテゴリ 絵画
時代カテゴリ 江戸時代
作者 中川雲屛筆
員数 1幅
材質技法 紙本墨画淡彩
寸法(cm) 縦153.3、横71.8
時代・制作年 江戸時代(19世紀)
所蔵 長浜城歴史博物館蔵
登録番号 A77